積立投資シミュレーション 2020年9月末

日本は横ばい、米国はやや下落

日本では7年半ぶりに新政権が発足。欧米の株式市場が調整するなか堅調に推移しました。一方米国株式は、9月2日にコロナ後の高値29,100.50ドルを付けた後、ハイテク株の急上昇、厳しい対中制裁、などに対する懸念から下落に転じました。

今月は、来月の米国大統領選挙が株式市場に与える影響などについて解説されることも多くなると思います。

図はNYダウ平均株価の1985年からの推移を表していいます。

1985年以降、レーガンから現在のトランプまで6人が米国大統領に就任しました(共和党4、民主党2)。短期の値動きで利益を得ようとするのであれば、大統領選挙がマーケットに与える影響を注視する必要があります。一方長期投資では、あまり考慮する必要がない、と見ることもできそうです。

仮に短期的に値下がりする場面があれば増額を検討してもよいかもしれませんね。

大統領選挙と長期投資については下記の記事もご覧ください。

積立投資を始めるタイミングは?

将来のために積立投資を始めたいけど、

  • コロナ第2波でスタートしてすぐ下がってしまったら
  • 米国大統領の結果を見てからのほうが良いのでは
  • 米中貿易摩擦の先行きが心配

など積立投資を始めるタイミングについて不安を感じている方もいるかもしれません。

今月は積立投資を始めるタイミングについてどのように考えればよいか整理してみました。

AさんとBさん、殖えたのはどっち?

下図の商品(実際に日本で販売されている海外株式インデックスファンドのデータを利用)に毎月1万円の積立をします。

  • Aさん:リーマンショック前の高値から2020年8月まで159か月(合計159万円)積立をしました。
  • Bさん:タイミングを見計らってリーマンショック後の安値から同じく2020年8月まで139か月(合計139万円)積立をしました。

開始直後、Aさんは「しまった。もっと慎重に時期を見極めればよかった」、と感じたかもしれません。一方Bさんは「思った通り値下がりした。最高のタイミングでスタートすることができた」、と思っていたのではないでしょうか?

最悪のタイミングでスタートしたAさん、最高のタイミングでスタートしたBさん、お金を殖やしたのはどっちだと思いますか?

Aさんの結果

2020年8月時点で、159万円の積立に対して投資信託の評価額は324万円(2.03倍)になりました。ただし、開始後の安値をつけた2009年2月時点では、積立額21万円に対して評価額12万円と4割以上のマイナスでした。

Bさんの結果

2020年8月時点で、139万円の積立に対して投資信託の評価額は275万円(1.98倍)になりました。開始以降も大幅なマイナスの時期はありませんでした。

長期の積立投資では開始のタイミングは重要ではない

最悪のタイミングで始めたAさん、最高のタイミングで始めたBさん、それぞれの10年以上に及ぶ積立投資の結果を見てみると、長期の積立投資ではタイミングは言われているほど重要でないことがわかります。

値動きは気にせず早く始めて長く続けることが大切ですね。