積立投資シミュレーション 2020年11月末

NYダウ 11/24 初の3万ドルへ

11月の株価は日米とも大幅に値上がりしました。ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、らが新型コロナワクチンの臨床試験での好結果を発表したことで上昇が加速しました。月間11.84%の上昇は1985年以降で2番目の大きさす。

史上〇番目の下げ、の時には「●●以来の大幅下落」と大きく報道されますが、上昇したときはそのように取り上げられないどころか、「実体経済と乖離」「バブルか?!」など、上がっても下がっても不安を煽る取り上げ方をすることが多いようです。

下表は1985年以降の月間騰落率ベスト5です。ここには記載されていませんが、ベスト20の中にはリーマンショックからの回復期が3カ月ランクインしています。

暴落時の急反発、大幅下落からの回復時の急騰は株式市場の良く知られている特徴です。

長期の積立投資では日々の値動きを解説するニュース、不安を煽るようなニュース、に惑わされることなく、長く継続することが大切だと改めてわかりますね。

2020年度 上半期のGPIFの運用成績は、プラス11.35%

私たちの老後の支えの土台となるのは厚生年金や国民年金です。

今月はその年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(以下GPIF)が11月に発表した第2四半期(7-9月期)の運用状況を確認をしておきましょう。

新型コロナによる暴落から回復し、第1四半期、第2四半期とも堅調に推移し、運用資産総額は4兆9千億円増えて167.5兆円になりました。

GPIFは資産全体を株式と債券に分散投資をしています。現在の配分は以下のようになります。

https://www.gpif.go.jp/

運用資産全体の値動きの幅、長期的に期待できる収益などを勘案してこのような配分にしています。途中2014年に株式への配分を、2020年には海外債券への配分を増やしています。

2001年から現行体制で運用を行っていますが、その後、リーマンショック、そして今年のコロナショックなどを経ながらも運用収益は下表のように推移しています。

https://www.gpif.go.jp/

年単位で見るとプラスの年、マイナスの年があり(棒グラフ)殖えたり減ったりしていますが時間の経過とともに収益が積みあがっていることがわかります。

短期的な値動きに惑わされずに企業の成長の果実が得られるのを待つ、長期積立投資と同じスタイルですね。

ニュースに惑わされない

2019年度は3月にコロナショックによる大幅下落があったため通期でマイナス5.2%でした。その時のメディアの報道、見出しは以下のようなものでした。

  • 「新型コロナで株価下落、年金は大丈夫?」
  • 「コロナショックで「年金」がアブない…将来世代を襲う「厳しい現実」」
  • 「GPIF 年金運用損8.2兆円 19年度、コロナ株安で打撃」
  • 「年金「14兆8038億円」を損失し、知らぬふりする政府の魂胆」

読んでもらえさえすればなんでもあり、のようなすごい見出しもありますね。

資産運用で成果を得るためには、これらのニュースや解説に惑わされずに長期にわたって積立を継続することが大切であることがここでもわかりますね。