積立投資シミュレーション 2019年10月末
こんにちは。積立投資のコーナーを担当しているBSAの中澤です。
上図表は、2017年3月から毎月一万円づつを株式比率が異なる3つの投資信託に積立投資をした場合どうなっているかを表したシミュレーションです。
主に確定拠出年金(企業型、個人型=イデコ)や積立NISAなどをやっている方、検討している方の参考にしていただければと思います。
10月は月初大きく値下がりして始まりましたが、月を終えてみると日米とも堅調な値動きでした。
米中通商交渉の部分合意への期待、米国の利下げ観測、英国の合意なきEU離脱懸念の後退、また米国企業の7-9月期の決算も総じて予想を上回ったこと、などを好材料として株価は値上りしました。
今後についても日々のニュースで株価は動きますが、値動きに惑わされずに積立を継続することが長期の資産形成では大切です。
新しく積立投資を検討している方から以下のような質問を頂きました。
「過去最高値になっているが今から始めて大丈夫ですか?」
下記はニューヨークダウ平均株価の10年間の推移です。2010年に1万ドルだった株価は10年間で約27,000ドルまで上昇しています。これだけの期間上昇をつづけているので、そろそろ下がるのでは、と思っても不思議ではありません。
こちらは日経平均株価の同じく10年間の推移です。
2010年の1万円前後から約23,000円まで上昇しています。特に日本株はバブル崩壊後の長期低迷を経験しているので「そろそろ下がるかもしれない」、と感じるかもしれません。
一時的な株価の上下を当てることで利益を得ることを目的としているなら様子をみるのも一つの方法ですが、長期の積立投資の場合、値動きの予想は不要、と考えてよいのではないでしょうか。
理由1 株式は長い目で見れば上昇することが期待できる
株式は、上がったり下がったりして結局もとに戻ってしまった、というものではなく、日々の値動きはあるものの、長期的には上がることが期待できるもの、と考えることができます。
何故なら、株式は企業や経済の成長を反映するものだからです。株式会社にお勤めの方はよくわかると思いますが、来年の目標は基本的には常に今年より高いですよね。
仮に心配していた通りに値下がりしてしまっても、値下がり前の利益水準を取り戻し、さらに将来についても良い展望が持てるようになれば株価はまた上がり始めるはずです。
理由2 積立投資では買いのタイミングの心配は不要
少し極端な例ですが、下表のように価格が10,000円のものが5,000円に値下がりし、元の10,000円に戻った例を見てみましょう。購入するのは毎月1万円です。
2ヵ月目には懸念していたように値下がりしてしまいました。その結果2万円の投資額が15,000円になってしまいました。ところが3か月目、元の10,000円に戻っただけで反対に1万円のプラスになっていることがわかります。
値下がり時には同じ1万円でも安い価格で多くの口数を購入することができたからです。
このような投資の方法をドルコスト平均法と言い、値動きの心配をせずに投資をする方法として有効であると言われています。
将来に向けて何か準備を、とお考えなら、当たるかどうかわからない短期的な株価の値動きではなく、早く初めて沢山の口数を保有すること、に焦点を合わせて準備の検討をしてはいかがでしょうか?
*ここでいう株式とは個別企業の株式ではなく株式市場全体、株式という資産種類の特徴のことを指しています。