積立投資シミュレーション 2020年7月末

2017年3月から始めた投資信託の積立は上記のような結果になりました。

7月のの株式市場は、米国は堅調、日本はやや下落

7月の日本の株式市場は新型コロナ第2波に対する懸念や円高によりやや下落、一方米国市場は堅調に推移しました。

3月の安値からの上昇率は、日経平均が約31%、NYダウは約42%です。十分な投資期間がある場合には、一時の不安からむやみに動かずに株式市場にとどまることが大切であることがわかります。

ただし世界での新型コロナウィルスの感染はいまだ拡大しています。

日本では、Go To トラベルキャンペーンが第2波の拡大と重なり盛り上がりを欠いているようです。人の動きや消費は回復には程遠い状況です。

米国も、4月から6月までのGDP(国内総生産)の伸び率は、年率換算でマイナス32.9%と、統計を取り始めた1947年以降最悪です。

今後は景況の悪化が企業の倒産などにつながり再度の株価下落につながる可能性も否定はできませんが、仮にそうなったとしても投資期間が十分ある場合には、焦らずに継続、さらに余裕があれば追加の検討をしてもよいと思います。

下落するとそれを解説するニュースなども多くなると思いますが、それらに惑わされずに継続することが大切です。

「年金積立金1-3月期 大幅赤字」報道をどう読めばよい?

年金積立金管理運用独立行政法人は、7月3日に、2020年1~3月期の運用損益を発表しました。それによると、新型コロナによる株価下落により、四半期として過去最大となる17兆7072億円の赤字、19年度の運用損益は8兆2831億円の赤字になりました。

この時の報道各社の見出しは以下のようなものでした。

昨年度の年金運用、損失8兆円 リーマン時に次ぐ赤字幅

公的年金運用、17.7兆円の赤字 新型コロナで過去最大 13月期

このような報道を見ると株価暴落で私たちの年金が大変なことになっている、という印象を持ちますが実際はどうなのでしょうか?

年金積立金管理運用独立行政法人HP、2019年度の運用状況で確認してみたいと思います。

https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html

2019年度末の年金運用の状況です。収益率と収益額が大幅なマイナスであることは報道の通りです。資産残高は150兆円あります。

下図は毎年度の収益率と収益額を表したものです。プラスの年もあればマイナスの年もあることがわかります。殖えたり減ったりで結局殖えていないのでは? やはり株式投資はタイミングを捉えることが大切なのでは? と感じたりするかもしれません。

長期では57.5兆円のプラスに

下図は毎年度の損益を累積したものです。2001年以降、累積で57.5兆円のプラスになっています。四半期ごとの発表では、プラスだったりマイナスだったりしますが、長い目で見ると資産が殖えていることがわかります。

年金積立金は、年金財政検証等により必要とされた利回り(現状1.7%)を極力小さな値動きで得ることを目標としています。具体的には株式・債券を下図の配分で保有しています。

国内外の配分については様々な意見があると思いますが、基本的な考え方は、目標とする収益に応じて株式・債券などを組み合わせて、日々の値動きを受け入れて投資先の企業が生み出す収益や利息を受け取り続けること、です。

値動きを解説するニュースなどに惑わされずに基本方針を維持することの大切さがここでもわかりますね。

HPには実際に購入している株式や債券などの銘柄がすべて表示されています。ご興味がある方は一度ご覧になってはいかがでしょうか?