一括投資シミュレーション 2020年11月末

2013年12月末の1000万円を一括投資した場合のシミュレーションです(シミュレーションの前提条件・注意事項はこちらをご覧ください)。オレンジのラインはポートフォリオの想定利回り(5%)、青のラインはポートフォリオの実績値を表しています。

ポートフォリオは大幅に値上がりしました

2013年末に投資した1000万円は2020年11月末時点で15,205,328円、前月比プラス1,414,419円、プラス10.26%と大幅に上昇しました。5%の想定値に対しては、プラス8.50%と大幅に上回っています。

ポートフォリオを構成している各アセットクラスごとのファンドの月間の騰落率は以下になりました。

世界株式:11.12%
ハイイールド債券:3.25%
新興国債券:5.04%
グローバルリート:12.47%

NYダウ平均は、11/24に30,046.24ドルと初めて3万ドルを突破、12月に入っても堅調に推移しています(12/4現在)。ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、などがワクチンの治験での好結果を発表、またトランプも政権移行を容認する考えを示したことで買い安心感が広がったようです。

2020年のマーケットを振り返る

少し早いですが、今までのところで(12月4日まで)今年を振り返ってみたいと思います。

2019年12月に中国で新型コロナウィルスが初めて検出されました。日本を含め世界はまだ対岸の火事と見ていました。年明けすぐにマーケットを騒がせたのはコロナではなく戦争懸念でしたが、米国、イランともその後、大きな軍事行動を起こさなかったことで大きな変動には至りませんでした。

米軍、イラン精鋭組織の司令官殺害 国防総省発表(日本経済新聞)

1月20日に日本で最初の感染者が確認され、2月に入り、連日クルーズ船の様子が報道されるようになると、日本中が一気にコロナモードに傾いていきました。ただしこの時はまだ、中国からの旅行客の減少が与える影響とか、中国の工場がとまるとサプライチェーンにも影響が、など至って常識的な見方が大勢を占めていたようです。

米国で初めて感染が確認されたのは1月20日でしたが、欧米にまでこれだけの規模で感染が拡大するとはまだこの時点では想定されていませんでした。実際NYダウ平均が高値を付けたのは2月12日です。そして2月24日、NYダウは一日で1,032安と突如暴落が始まりました。

2月24日の暴落開始から3月23日の底打ちまでのちょうど1か月(立会日数21日)で、2000ドル以上のマイナスが3回、1000ドル以上のマイナスが4回、500ドル以上のマイナスが5回、1000ドル以上のプラスが5回と日々大きな値動きを伴い、高値29551ドルから18591ドルまでわずか1か月で37%の下落をしました。

この間の1日の値幅の平均は1148ドル、12月4日までの今年1年間の1日の値幅の平均はこの期間を含めても375ドルですから、いかに毎日の値動きが大きかったかがわかります。

このころのメディアには以下のような見出しが並びました。

  • コロナショック、パニック売り連鎖 米渡航停止が引き金 下落率はリーマン超え
  • トランプ氏「ボーイング支援」 資金繰り懸念で株急落
  • コロナ後に世界を襲う「リーマンショック数十倍規模」の金融危機
  • 新型コロナ不況で株安はどこまで進むか、リーマン級なら1万5000円視野

またコロナで需要が消滅した原油は先物価格が4月にマイナスになりました。街はロックダウン、医療施設はパニック、という見たことがない光景を連日テレビで見て不安を感じた方も多かったのではないでしょうか?

そんな中、テレワークなどオンラインによる仕事やサービスがすごいスピードで普及していきました。

象徴的だったのは、4月29日に発表されたマイクロソフトの決算発表でした。他の世界を代表する企業が大幅な減益発表をするなか、マイクロソフトは売上、純利益とも1-3月期としては過去最高決算を発表。その中で、サティア・ナデラCEOは次のように述べました。

「2年分に相当するデジタル変革が2カ月で起こるのを見た」

さらにこの流れを象徴したのがこのニュースでした。

GAFAMの時価総額、東証1部超え 560兆円に

アメリカの巨大IT5社の時価総額が日本の一部上場企業すべての時価総額を抜いたというのです。

以降、第2波や実体経済との乖離、など懸念を残しながらも押し目らしい押し目を作らず上昇をしていきました。

下図は今年のコロナショックと2008年のリーマンショックの時のNYダウ平均の値動きを重ねたものです。それぞれ暴落開始の前日を100として前後を比較しています。

暴落の1カ月間はほぼ同じように値下がりしています。リーマンショックの時は一度底を打ったかに見えましたがさらにその後2番底を付けに行きました。今回は押し目がないどころか非常に短期間に高値まで更新してしまいましたね。

秋の話題は米国大統領選挙でした。10月後半の値動きについての解説やニュースは、値下がりすると「大統領選挙への懸念から下落」と、上昇すると「●●の支持が広がり買い安心感」といった形ですべて大統領選挙に結びつけた解説が多かったように感じます。

11月に入ると、待望のワクチンについて好結果が出たという発表が出てきました。ワクチンが有効であれば人々の活動に対する制約はなくなり経済活動が活発になることからNYダウ平均は史上初めて3万ドルを突破しました。

このような歴史に残る大暴落があったにもかかわらず落ち着いて対応していただき、なんとか今のところコロナショックを乗り切ることができました。

ワクチン接種はすぐに始まるようですが、大きな副作用がでたりすると再度値下がりすることもあるかもしれません。しかしながらそんな中でも企業は事業を継続し、人々や社会の欲求や課題をビジネスで解決しようとしています。そうであればそれを信じてバタバタと売り買いせずにじっくりと保有を継続することがもっとも理にかなった方法なのではないでしょうか?

またこうやってその時の記事などとともに振り返ってみると、それらのニュース、金融機関のレポートが長期投資で資産形成をすることに役立たないことが改めてよくわかります。

今後も日々値動きはありますし、大きな出来事による暴落も起こることがあると思いますが、落ち着いて乗り越えていきたいと思います。