積立投資シミュレーション 2020年1月末

2017年3月から始めた投資信託の積立は上記のような結果になりました。

2020年は戦争懸念で幕を開けましたが、米国、イランの両国とも「エスカレートは望まない」、というスタンスが確認されたことや米中貿易交渉で「第一段階の合意」に達したことで月半ばにかけて日米とも株価は上昇しました。

NYダウ平均は1月17日に29,348ドルと30,000ドル手前まで上昇しましたが、その後、新型コロナウィルスの拡大懸念により月末にかけて大きく下がりました。

2月に入ると新型コロナウィルスの治療薬などの話題が出てきて大きく値を戻しました。当面は新型コロナウィルスに関する情報に左右される値動きが予想されます。

長い投資(積立)期間中には様々な出来事があります。

  • 武力や貿易の摩擦や衝突
  • バブルの崩壊
  • そして今回のように治療法が確立されていないウィルスの伝染

など。

これらを原因として経済・企業活動が停滞し株価が低迷したり、時に大きく下がったりします。

今月は、SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した2002年11月から2003年7月の株価について確認し、長期の積立投資ではどのように対応すれば良いかについて考えてみたいと思います。

  MSCI ACWI https://www.msci.com/

上図はSARSが発生・流行した時期の世界の株価指数のグラフです。

2002年11月16日に最初のSARS症例が報告されました。その時の価格は約200ドル。2003年3月には約180ドルまで10%程度の下落になりました。2003年7月の終息宣言時の価格は214ドルほどでした。

発症から安値まで約4ヵ月、終息まで約8ヵ月でした。

しかしながら、今回の新型コロナウイルスは、患者数28,000人以上、死亡者数565人(2月6日現在・厚生労働省)とSARSの感染者数約8400人をすでに大幅に上回ってきておりこの先どこまで広がるか不安が続いています。

さらに、中国の経済力は当時と比べ大幅に拡大していますから中国の経済活動の停滞が世界経済に及ぼす影響は2002年、03年当時に比べるとかなり大きくなっていると予想できます。

また当時はイラク戦争と重なり株価はすでに大きく下がっていましたが今回は大きく上がっている状態での発生です。

このような状況に対して長期の積立投資ではどのように対応すれば良いでしょうか?

投資の目的が短期的な値動きを上手に捉えて利益を得ることを目的としているのであれば、株式の割合を少なくするなどを検討することもあるかもしれません 。

長期投資(積立)で見るべきは下のグラフです。同じ世界株指数の2001年1月~2020年1月までのグラフです。

SARSはもちろんその後のリーマンショックも乗り越えSARS当時200ドルだった株価は2020年1月末現在で558ドルになっています。

感染が拡大する中、適切な治療法(薬)がないことや終息までの期間がわからないことの不安から株価は大きく下げることがあるかもしれませんが、やはり日々の値動きに惑わされず長期継続することが長期の資産形成では大切なことがこのグラフからもわかるのではないでしょうか?