新型コロナウィルスによる株価下落への対応

新型コロナウィルスの拡大が止まりません。日本や中国だけでなく世界的な経済活動の停滞懸念から今週は株価が大きく下落して始まりました。このままさらに低迷が継続することもあるかもしれません。

このような時に長期スタンスのポートフォリオ運用ではどのように考えれば良いかを検討します。

下図は類似例として引き合いに出される2002年から2003年にかけてのNYダウ平均のグラフです。

https://finance.yahoo.com/

2002年11月にSARSが発生、その後約1割程度の下落があり、2003年7月に終息宣言が出されました。

下図は同じ時期のMSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)の推移です。NYダウとほぼ同様に発生後1割程度下落し終息に向けて回復しています。

https://www.msci.com/

SARSの時はグラフを見てわかる通り、発生から約1割下落し、その後終息に向かって株価も回復しています。ただし今回も同様かどうかは今の段階ではわかりません。それに2002年はITバブルの崩壊やイラク戦争を控えすでに株価は大きく下がっていました。それに対して今回はアメリカ株で言えば史上最高値での出来事です。

もし終息が想定より長引いた場合、経済に影響を及ぼしそれが株価の下落や低迷につながることは十分にあり得ると思います。

もちろん短期的な値動きを上手に捉えて利益を上げるのを目的としているのであれば一時的に株式を債券などにシフトしたり、投資開始を見合わせる、というのも一つの方法だと思います。

ただ一方、もし10年、20年の長期での資産の増加を目指すのであれば日々のニュースや株価の上げ下げにとらわれずに投資(積立)を継続・開始して問題ないと思います。長期の投資家が見るべきグラフは上図ではなく下図になります。

SARSやイラク戦争で株価の下落が懸念されていた当時(2002年~2003年)のNYダウは8500ドル程度、現在は26000ドルと約3倍程度になっています。この間リーマンショックなどがあっても、です。

このようなことがあっても世界中の企業は、その中で日々経済活動を続けています。一時的な落ち込みがあっても各企業はそれを乗り越えてきました。またおそらく今後も同様でしょう。

長期のポートフォリオ運用では、その時々のマーケットの予想を当てるのではなく、長期的な企業の成長を待つ、という視点が大切だと考えています。